寒い日が続き、まさかの連日の積雪
私も、5日連続で、早朝雪かきをするとは思ってもみませんでした。
中には、雪かきを頑張りすぎて、腰を痛めたり、筋肉痛になったりしていませんか?
他にも、寒い日が続いたことで、身体の動きが悪くなり、身体を痛める方もいらっしゃったかもしれませんね!
当院も、ぎっくり腰の方が多く、その多くに仙腸関節を痛めたことでなられた方も多くいらっしゃいます。ここで、治り方にはっきりしたのは、症状が落ち着くまで、痛みの出る動作を控えて、続けて来院できるかどうか。長い人でも1週間で日常生活で支障がない状態になります。痛みの出る動作ができなくても、続けて来院していただきことで、10日ぐらいでは改善されますが、やはり続けて来院できない、しかも、負担をかける動作が多い方は、改善が遅い傾向にあります。
結局、早期改善するためには、正しい知識と行動、そして目安通りに来院していただく事が、早期に治すために必要なこととなります。
今回は、仙腸関節性腰痛に対して、しっかりと学んでいきましょう!
仙腸関節性腰痛とは?
仙腸関節性腰痛とは、骨盤にある仙腸関節が何らかの理由で異常をきたし、痛みを引き起こす状態です。この痛みは特定の動作や姿勢によって悪化しやすく、日常生活に支障をきたすことがあります。
例えば、仰向けで寝るのが難しかったり、痛いほうを下にして寝ると痛みが強くなったりします。また、長時間座っていると痛みが増し、無意識に痛い側のお尻を浮かせて座ることが多くなるのも特徴です。特に動き始めに痛みを感じることが多く、片側のお尻や鼠径部(股関節の外側)、さらに下肢にまで痛みやしびれが広がることもあります。
こうした症状は腰椎椎間板ヘルニアと似ているため、誤診されることも少なくありません。しかし、仙腸関節性腰痛の特徴は、片側に痛みが集中することです。この点を理解しておくことが、正しい診断につながります。
仙腸関節とは?
仙腸関節は、骨盤にある腸骨と仙骨の間に位置する関節です。一般的に関節と聞くと、肩や膝のように大きく動くものを想像するかもしれませんが、仙腸関節はほとんど動かない関節です。しかし、実は体のバランスを保つ上で非常に重要な役割を果たしています。
この関節は、上半身と下半身をつなぐ部分にあり、歩いたり走ったりする際の衝撃を吸収するクッションのような働きをしています。そのため、仙腸関節に問題が生じると、腰や下肢にまで痛みが広がることがあるのです。
仙腸関節性腰痛が起こりやすい人とは?
この腰痛は、若年層から高齢者まで幅広い年代で見られますが、特に女性に多いとされています(男女比は1:2)。
日常生活の中で、以下のような動作を繰り返すことで発症しやすくなります。
- 中腰での作業(掃除や子供の抱っこなど)
- 急な動作(突然の方向転換や転倒)
- 同じ姿勢を長時間続ける(デスクワークや長時間の立ち仕事)
仙腸関節が不安定になったり、関節がずれたりすると、炎症が生じ、痛みが発生します。そのため、日頃の姿勢や動作のクセを見直すことが予防につながります。
仙腸関節性腰痛の検査方法
この腰痛は、レントゲンやMRI、CTなどの画像診断では異常が見つからないことが多いのが特徴です。そのため、以下のような方法を用いて判断を行います。
まず、「One Finger Test」という方法で、痛みを感じる場所を指一本で示してもらいます。この際、痛みが仙腸関節の周辺に集中している場合は、仙腸関節性腰痛の可能性が高いと判断されます。
次に、「整形外科的テスト」を行います。
- Newton変法
- Gaenslenテスト
- Patrickテスト
これらのテストのうち、1つ以上が陽性であれば、仙腸関節性腰痛である可能性が高くなります。
仙腸関節性腰痛の治療法
この腰痛の治療は、痛みの管理とリハビリテーションが基本となります。
1. 痛みを和らげる治療
- 骨盤ベルトやコルセットを使用し、関節の安定性を高める
2. リハビリテーションによる改善
リハビリでは、まず痛みがどの動作で強くなるかを確認し、その動作に合わせた治療を行います。
- 骨盤の可動性を改善するためのストレッチやマッサージ
- 骨盤周囲の筋力を強化するエクササイズ(特に腹横筋や多裂筋、大殿筋を鍛える)
- 正しい姿勢を維持するためのトレーニング
姿勢(アライメント)の改善が、症状を改善させるためには非常に重要で、骨盤の位置を確認し、正常な位置を保つように調整します。
- 骨盤前傾位:仙骨がうなずくように動く状態で、比較的安定しやすい
- 骨盤後傾位:仙骨が起き上がるように動く状態で、不安定になりやすい
そのため、適切な姿勢を保ち、筋力を強化することが再発予防につながります。
当院での治療について
当院では、仙腸関節性腰痛に対して、患者様の症状に応じた包括的な施術を提供しています。
基本施術
- 徒手療法:骨盤や仙腸関節の組織を活性化させる手技療法を行います。
- 運動療法:股関節や胸椎の動きを改善し、仙腸関節への負担を減らしながら可動性を高めます。
- 物理療法:電気治療や温熱療法を用いて痛みを和らげ、血流を促進します。
また、仙腸関節に負担をかける原因として、背中や下半身の硬さが関係していることが多いため、これらの部位の施術も合わせて行うことが重要です。
オプション施術
当院では、基本施術に加えて、より治療効果を高め、早期回復や、柔軟性・可動性・安定性を整え、身体のバランスを整えるために「オプション施術」を提供しています。
- トムソンテクニック:脊椎骨盤のバランスを整え、仙腸関節の位置異常を調整します。
- パッシブストレッチ:時間をかけてストレッチを行い、関節の可動性を改善します。
- 鍼灸治療:炎症が強い場合や、慢性的な痛みがある場合に効果的で、組織の機能を活性化し、新陳代謝を高めることで自然治癒力を促進します。
まとめ
仙腸関節性腰痛は、日常生活の中で知らず知らずのうちに悪化することが多い腰痛の一つです。しかし、適切な治療とリハビリを行えば、改善が期待できます。
痛みが続く場合は早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。また、日頃からセルフケアを行い、姿勢を意識し、関節に過度な負担をかけないようにすることで、予防にもつながります。
「最近腰が痛いけど、原因がよくわからない」「片側のお尻が痛む」と感じる方は、一度仙腸関節性腰痛を疑ってみると良いかもしれません。
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