たいようブログ

秋から冬への移行と東洋医学の視点

今日から11月に入りました。今年も、残すところ2か月。
健康な体で来年を迎えるように、引き続きしっかりと身体を整えていきましょう!

今は、秋の土用に入っており、11月7日からは冬の季節に突入します。

東洋医学では、秋は「肺」、冬は「腎」に対応する季節とされており、11月はこの2つの臓器に注目することが健康維持のポイントです。
秋は「金」の五行に属し、乾燥の影響を受けやすく、特に肺や気道のケアが重要視されます。
そして冬に向かうにつれ、「水」に属する「腎」を整え、体を内側から温め、エネルギーを蓄える準備が必要になります。

この移行期は、寒暖の差や乾燥、気圧の変化により、体調を崩しやすい時期です。
そのため、秋の土用を通じて体を整え、冬への移行をスムーズにするための「養生」が求められます。



秋から冬への移行期に気を付けるポイント

1. 乾燥対策をしつつ、温めを意識する

秋の乾燥が続き、冬に向かって気温が下がるため、乾燥対策と保温がどちらも必要です。
乾燥は肺に負担をかけるため、室内環境の調整と、体を温めることを意識しましょう。

  • 加湿と保温:乾燥しがちな室内には加湿器を使い、湿度を50〜60%程度に保ちましょう。これにより肺や喉の乾燥を防ぎ、風邪予防にも効果的です。
  • 温かい食事と飲み物:秋の終わりには体が冷えやすくなるため、スープやお茶など温かい飲み物を積極的に摂り、内側から体を温める習慣をつけましょう。

2. 睡眠と休息でエネルギーを蓄える

立冬から始まる冬の時期は、体がエネルギーを内に蓄える「蓄養(ちくよう)」の時期です。
秋の活動的なエネルギーを次第に落ち着かせ、より深い睡眠や休息を心がけることで、体のエネルギーを充実させることができます。

  • 早寝を心がける:夜の時間が長くなるため、自然なリズムに合わせて早めに寝る習慣が大切です。十分な睡眠を確保し、体力と免疫力を高めて冬に備えましょう。
  • リラックス時間を設ける:秋の土用期間中は心も落ち着かせることが大切です。ストレッチやゆったりとした運動、温かい湯に浸かるなどして体をリラックスさせ、寒さに備えて体と心を安定させましょう。

3. 「腎」をサポートする食べ物で冬支度を

秋から冬への移行期は、冬に主役となる「腎」を助けるための食事が重要です。
東洋医学では「腎」は生命力や体の根源的なエネルギーを司るとされ、冬に強化することで健康な春を迎えるための基礎を作ります。

  • 黒い食材:五行思想では、黒色は「腎」に対応しているため、黒豆や黒ごま、黒きくらげなどを摂ると「腎」の働きを補います。
  • 塩味のある食材:塩味も「腎」に良い影響を与えるとされており、海藻や味噌、発酵食品を取り入れると冬に向けた強い体が作れます。
  • 体を温める根菜類:ごぼう、にんじん、大根、かぶなどの根菜類は、体を温め、消化を助けてくれます。これらの野菜を使った鍋料理や煮込み料理は、体を内側からしっかり温めてくれます。



季節の変わり目における生活習慣の整え方

秋の土用期間から冬にかけての時期は、体と心を整える生活習慣が大切です。気温や湿度が急変するため、無理のない生活リズムを意識して日々の健康を保つことが推奨されます。

1. 適度な運動で気の流れをスムーズに

寒さが増すと体もこわばりがちです。適度な運動で体をほぐし、気の流れを促すことが冬に備えた準備となります。

  • ウォーキング:ゆったりとしたペースでのウォーキングは体に負担が少なく、気の巡りを整えるのに効果的です。自然の中で歩くと、秋から冬の移り変わりを感じられるでしょう。
  • 深呼吸と軽いストレッチ:秋は肺の季節なので、呼吸を意識した軽い運動もおすすめです。深呼吸やヨガ、ストレッチなどを取り入れると、心が落ち着き、自律神経のバランスが整います。

2. 「冬支度」の環境づくり

秋から冬への移行期には、住環境も冬支度を進めましょう。室温と湿度を適切に保ち、寒さと乾燥から身を守る工夫が大切です。

  • 湿度管理:乾燥を防ぐために加湿器を使用したり、観葉植物を取り入れて適度な湿度を保つと、喉や肌の潤いも守られます。
  • 温かい寝具:寒さに備えて寝具も冬用に整え、しっかりと体を温めると朝まで快適な眠りが得られます。寒い時期は特に腰や足を冷やさないようにしましょう。

冬に向けてのおすすめ食材とレシピ

11月の移行期には、「腎」を意識した食材を使った温かい料理が体に優しいです。この時期におすすめの食材と、簡単なレシピをいくつかご紹介します。

1. 黒豆の煮物

お正月に食べる黒豆は、冬にピッタリです。黒豆は「腎」をサポートする代表的な黒い食材で、ミネラルも豊富です。煮物にして作り置きし、日々の食卓に少しずつ取り入れると、無理なく「腎」をサポートできます。

2. ねぎと生姜のスープ

冷え対策として、ねぎや生姜を使った温かいスープはおすすめです。生姜は体を温め、ねぎは呼吸器系の健康を守る効果が期待できます。寒さが強まる夜に飲むと、体がしっかりと温まります。

3. 根菜の煮込み料理

ごぼう、にんじん、大根、かぶなどの根菜を、昆布だしや味噌でじっくり煮込むと、体を温めながら「腎」をサポートできる滋養豊かな料理になります。体が芯から温まり、疲労回復にもおすすめです。



終わりに

11月は秋から冬への変化の時期であり、東洋医学や五行思想では、体と心を冬に向けて整える準備期間として重要視されています。乾燥や冷え対策をしつつ、「腎」をサポートする食材や生活習慣を意識的に取り入れることで、冬を健やかに過ごすための基礎を築くことができます。季節の合わせたセルフケアで、冬に備えた健康な体を整えていきましょう。

コメント